それ、照れます!

照れたら書き、書いたら照れる。三十超えて頬を赤らめ、ひとりゆく。筆者は格子「照論文 」

一本締め、一丁締め

 「宴もたけなわでございますが」などというプラスチックな言葉が、飲み会も後半になると聞こえてくる。全然盛り上がっていなくても、たけなわと言っちゃう。もうここでぼくは照れてしまう。だが、照れはこれで終わらない。

 

 「では、一本締めで……」

 

 これが照れる。やらにゃいけんか? やらにゃ終われんか? どんだけ形、好きなんや。様式美フェチにもほどがありやしないだろうか。

 

 「それではお手を拝借……」はい、これも照れる。

 「いよぉおう、お」はい、これも照れる。叩く前に、胸の前に出した両手を一瞬空でバウンドさせる、はい照れる。

 

 「パパパンパパパン」はい、照れる。なぜなら、一本締めは「よーお、パン」で終わりだと思っていたからだ。

 

 「いうおぉう、お、パパパン、パパパン、パパパンパン、パパパン、パパパン、パパパンパン、パパパン、パパパン、パパパンパン、パパパン、パパパン、パパパンパン、パパパン、パパパン、パパパンパン、パパパン、パパパン、パパパンパン、パパパン、パパパン、パパパンパン、パパパン、パパパン、パパパンパン、パパパン、パパパン、パパパンパン、パパパン、パパパン、パパパンパン。わぁ〜パチパチパチパチィ〜」

 何回? いつまで叩くの? 一回じゃないの? どこ見ていればいいの? 案外みんな下見てるけど、これ暗くない? 

 十回やるのが一本締めだそう。「いよぉう、お、パン」これが一丁締めと言うらしいのだ。

 

 一本締めあるいは一丁締めの歴史を知っているわけでも調べたわけでもないので、無為にいじるわけにもいかない。ただ、照れるとだけ記しておこう。アルコールのせいではない。顔は真っ赤っかだ。が、やれと言われればやってしまう。受動的に、攻撃的に。

 

 締まったためしがない。悶々悶、悶々悶と帰途につく。